SF

『ブルースカイ』

ブルースカイ (ハヤカワ文庫 JA) SF。 面白かったけど、惜しいというか、物足りない感じ。桜庭一樹のハヤカワSFレーベルでの本。魔女狩りの描写とか、作中で展開される”少女”論など、なかなか面白いのだけど、SFレーベルに対して期待されるものを考えると、…

『新世界より』

新世界より 上 SF めちゃくちゃ面白かった。凄い。エゲツない。人類文明崩壊後の近?遠?未来を舞台に、超能力を手に入れた新人類と、知能を持ったネズミの戦い、といった世界設定で、少年少女達が冒険をし、大人になっていく。まず単純にストーリーが面白い…

『永遠の終り』

永遠の終り (ハヤカワ文庫 SF 269)深町 眞理子 SF。 良かった。アシモフ唯一の時間ものらしい。ミステリー仕立てで、最後に驚きの真相が、となるなど、エンタメとして面白いのもあるけど、主人公が関わる時間改変、タイムパラドックスが、私的なものでは無く…

『宇宙のランデブー』

宇宙のランデヴー (ハヤカワ文庫 SF (629))南山 宏 面白かった! 巨匠クラークの名作。宇宙から太陽系目指し飛来した謎の筒状物体。誰が何のために作ったものなのか、といった展開。スペースコロニーの元祖と言ってもいいのかな。 とにかくスペースコロニー…

『アンドロメダ病原体』

アンドロメダ病原体 (ハヤカワ文庫 SF (208)) SF。 面白かった。『ジュラシック・パーク』で有名なマイケル・クライトンの出世作。宇宙からもたらされた謎の病原体による感染拡大、その謎に挑む科学者の戦い。ある意味、映画『アウトブレイク』とか、ゲーム…

『導きの星 1〜4』

導きの星〈1〉目覚めの大地 (ハルキ文庫―ヌーヴェルSFシリーズ) SF。 良かった。地球人の文明監察官が、知的生物が宇宙文明へと育つのを見守り、育てるという話。この主題自体はSFとしては定番で、先行する名作と呼ばれる作品も多い。個人的にも、凄く好きな…

『シャングリ・ラ』

シャングリ・ラ池上 永一 SF なかなか面白かった。現在アニメ放送中の『シャングリ・ラ』の原作小説。アニメ見てて、いまいち面白くないというか、世界に入り込めないので、原作クラッシャーで有名なGONZOのことだから、きっと原作は面白いに違いないと思っ…

『風の邦、星の渚―レーズスフェント興亡記』

風の邦、星の渚―レーズスフェント興亡記小川 一水 SF。 良かった&好き。小川一水といえばシミュレーション小説のイメージが強いが、今回は、『シムシティ』中世版というか、『シヴィライゼーション』に、SFテイストを加えた感じ。 小川一水作品の個人的にす…

『ラギッド・ガール―廃園の天使〈2〉』

ラギッド・ガール―廃園の天使〈2〉 (ハヤカワSFシリーズ―Jコレクション)飛 浩隆 SF。 凄い、凄すぎる。『廃園の天使』シリーズの2冊目。圧倒的な筆力、構想力、SF的ガジェットの魅力、センスオブワンダー、どれをとっても一級品。今度は短・中編集で、前作を…

『象られた力』

象られた力 kaleidscape (ハヤカワ文庫 JA)飛 浩隆 SF 良かった。「SFが読みたい!2004年度版」の国内第1位。「廃園の天使」シリーズの飛浩隆の初期作品を大幅に加筆した短・中編を集めた本。個人的には、表題作「象られた力」の圧倒的なイマジネーションと…

『虐殺器官』

虐殺器官 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション)伊藤 計劃 SF。 凄かった。つい先日残念ながら逝去された伊藤計劃さんのデビュー作。『SFが読みたい2008』の国内第1位。ずっと読みたいと思っていて、ようやく入手できたので読もうと思っていたら、ちょうどそ…

『敵は海賊・海賊版』

敵は海賊・海賊版 (ハヤカワ文庫 JA 178)神林 長平 SF。 面白かった。神林長平版ハーロックみたいな、ハードSFというよりは、スペースオペラな作品。肩の力をぬいて素直に楽しむが吉。並行世界とか、同じだけと違う同一人物が二組も出てきたりで、混乱しそう…

『Avalon 灰色の貴婦人』

Avalon 灰色の貴婦人 (MF文庫J)押井 守 SF。 良かった。押井守の同名映画のノベライズ、というよりも、同じ世界を舞台にした別の話(前日譚?)。没入型のFPS(First Person Shooting)ゲーム”avalon”とそれをめぐる謎解き(いや謎かけか)の話。架空のゲー…

『ラーゼフォン―時間調律師』

ラーゼフォン―時間調律師 (徳間デュアル文庫)神林 長平 SF。 個人的にはわりと良かった。『ラーゼフォン』も神林長平も好きなので、読んでみたのだけど、多分賛否分かれるだろうなあ。アニメ『ラーゼフォン』のノベライズとは言っているが、話としては、世界…

『イノセンス After The Long Goodbye』

イノセンス After The Long Goodbye (デュアル文庫)山田 正紀 by G-ToolsSF。アクション。 まあまあ。これも押井守監督の映画『イノセンス』のノベライスではなく、同じ設定(映画の前日譚)を使った、山田正紀による別作品かなと。山田正紀は好きな作家だし…

『時砂の王』

時砂の王 (ハヤカワ文庫JA)小川 一水 SF。 かなり良かった。読みやすくて、どんどん、のめりこんでいく感じ。小川一水の時間ものという時点で期待値が高かった上での感想。ただ、時間もの(『夏への扉』とか『マイナス・ゼロ』みたいなやつ)というよりは、…

『SFが読みたい!2008年度版』

SFが読みたい! 2008年版―発表!ベストSF2007国内篇・海外篇 (2008)SFマガジン編集部 毎年恒例のSFが読みたいを買ってきた。自分は、なかなか刊行情報をリアルタイムで追っていられないので、毎年だいたいこんな本を読もうっていう方針を決めるのに使ってて、…

SF作家クラブ選 オールタイムベスト

SFWJ:SF-nyuumon 国内編 タイトル 作家 既読 一言感想 1 果てしなき流れの果に 小松左京 ● 凄すぎる! 2 百億の昼と千億の夜 光瀬龍 ● 凄すぎる! 3 宝石泥棒 山田正紀 ● 面白い! 4 マイナス・ゼロ 広瀬正 ● 大好き! 5 おーいでてこい 星新一 ● 楽しい! 6…

星雲賞(長編)

日本SFファングループ連合会議:星雲賞リスト 国内長編 年 タイトル 作者 既読 1970 霊長類南へ 筒井康隆 ★ 1971 継ぐのは誰か? 小松左京 ★ 1972 石の血脈 半村良 ★ 1973 鏡の国のアリス 広瀬正 1974 日本沈没 小松左京 ★ 1975 おれの血は他人の血 筒井康隆…

『永遠の森 博物館惑星』

永遠の森 博物館惑星 (ハヤカワ文庫JA)菅 浩江 by G-ToolsSF。短編集。ベストSF2000第1位、星雲賞(国内長編) 受賞作。 ラグランジュポイントに位置する小惑星に建設された博物館惑星が舞台の、アートを題材にした学芸員の話。SF版ギャラリー・フェイクみた…

『M.G.H.―楽園の鏡像』

M.G.H.―楽園の鏡像 (徳間デュアル文庫)三雲 岳斗 by G-ToolsSF、ミステリー、ラノベ 元祖?越境作家&新人賞コレクターの第1回、SF新人賞授賞作。 宇宙ステーション内での殺人事件。ハウダニット系のミステリ。”謎”の古典的魅力に比して、”解”があっさりなの…

中秋の名月、月を見上げてSFを読む

何年か前に”アポロは本当に月にいったのか?”みたいな検証がはやったこともあったけど、もう一度いけばいいだけの話じゃないかと。 今年の「中秋の名月」は9月25日だそうなので、まだまだ残暑厳しいけれど、秋の夜長に月を肴にSFでも読んでみてはいかがか…

『サウンドトラック』

サウンドトラック古川 日出男 by G-ToolsSF? 日本SF大賞を『アラビアの夜の種族』で受賞した古川日出男の作品。一応SFに分類したけど、うーん、どうかな。本格SFというよりも、現実よりもちょっとずれた、あり得たかもしれない、あるいは、あり得うる未来を…

『巨人たちの星』

巨人たちの星 (創元SF文庫 (663-3))ジェイムズ・P・ホーガン by G-ToolsSF。 ホーガンの『星を継ぐ者』3部作(いまは4作目が出てるけど)の最期の本。ルナリアン、ガメニアン、地球人類生誕の秘密など、一連の謎、すべてが解き明かされることになる話な…

『ガニメデの優しい巨人』

ガニメデの優しい巨人ジェイムズ・P・ホーガン 池 央耿 by G-ToolsSF。 この間紹介した『星を継ぐもの』の続編。前作は月で発見された謎の死体”ルナリアン”を巡る謎解きの話だったが、今作は、前作でガニメデで発掘された宇宙船という形で登場したもう一つ…

『プリズム』

プリズム (ハヤカワ文庫JA)神林 長平 by G-ToolsSF。 幻想的な世界で展開される、言葉と色をモチーフにした短編連作形式の作品。1987年の星雲賞受賞作。 神林長平の作品というと、『雪風』のようなハードSFが最初に浮かぶ。ハードSF路線の方が、”…

『機械たちの時間』

SF

機械たちの時間 (ハヤカワ文庫 JA (532))神林 長平 by G-ToolsSF。 機械知性体、マグザットとの戦いの中、火星から過去の地球?へととばされた主人公が、首なしの戦友の死体を発見し……、というサスペンスが、ぶつ切りでスピード感のあるハードボイルドタッ…

『黄泉びと知らず』

黄泉びと知らず (新潮文庫)梶尾 真治 by G-ToolsSF、短編集。 映画化もされた梶尾真治の『黄泉がえり』のアナザーストーリー1本を含む短編集。 この”1本”ってのがなかなかやっかい。もちろん、表題作『黄泉びと知らず』は、『黄泉がえり』を読んだ人、見…

『黄泉がえり』

黄泉がえり (新潮文庫)梶尾 真治 by G-ToolsSF。 あらかじめ言っておくと、映画版の方を先に見てから読んだので、そういう感想になってます。あしからず。 舞台はは熊本で、突然死んだ人たちが生き返り、家族のもとへと戻ってくるという怪現象が発生する中…

『万物理論』

万物理論 (創元SF文庫)グレッグ・イーガン 山岸 真 by G-ToolsSF。 『2005年版このSFが読みたい』の海外部門の一位、『宇宙消失』『順列都市』など現代最高のSF書きと呼ばれるイーガンの長編。宇宙のすべてを説明する”万物理論”を巡る話ということになっ…