『万物理論』

万物理論 (創元SF文庫)万物理論 (創元SF文庫)
グレッグ・イーガン 山岸 真

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SF。
 『2005年版このSFが読みたい』の海外部門の一位、『宇宙消失』『順列都市』など現代最高のSF書きと呼ばれるイーガンの長編。宇宙のすべてを説明する”万物理論”を巡る話ということになっているが、個人的には、”人間原理”を推し進めていくとどういうことになるのかという思考実験をした結果という印象を受けた。まあ、スーパーハードSFなので、Sのかなりの部分が曖昧な理解しかできていないので、間違った印象なのかもしれないけど。
 とにかく読むのに時間がかかった。物語の本筋だけじゃなくて、細かい所での描写(化学や未来社会、ジェンダー、カルトなど)がしっかり書き込まれていて、いちいち消化しながら読むものだから時間がかかってしょうがない。
 そんなこんなで読み終わってみると、細部の設定とか、面白いのだが、ストーリーというかオチというかがなんていうかあれー?って感じ。ぶっちゃけこの作品を一言で言うと、「涼宮ハルヒ」のハードSF版?(萌えないけど……)