『ふわふわの泉』

ふわふわの泉 (ファミ通文庫)ふわふわの泉 (ファミ通文庫)
野尻 抱介

天使は結果オーライ―ロケットガール〈2〉 (富士見ファンタジア文庫) 女子高生、リフトオフ!―ロケットガール〈1〉 (富士見ファンタジア文庫) 私と月につきあって (富士見ファンタジア文庫 38-23 ロケットガール 3) 太陽の簒奪者 (ハヤカワJA) 沈黙のフライバイ (ハヤカワ文庫 JA ノ 3-9)

by G-Tools
SF。
 2002年度の星雲賞、国内長編部門の受賞作。女子高生が空気より軽く、ダイヤモンドよりも固い新素材を発明して、というシチュエーションで始まるシミュレーション小説。
 ファミ通文庫なんていう、ライトノベルでもマイナーなレーベルで、こんなハードSFを出したことが不幸としか言いようがない作品。確かに主人公は女子高生で眼鏡っ娘だけど、”萌え”はゼロ。それどころか、化学と物理がバリバリ出てきて、終いには宇宙人まで登場する。で、この宇宙人がかたる人間観がなかなか痛いところをついていたり、『太陽の簒奪者』に登場する知性体との類似が見えたりで、面白い。
 知名度は低いが間違いなく面白い作品。ファミ通文庫って柄じゃない。印象としては、徳間デュエルぐらいな感じ。