『ロケットガール』

女子高生、リフトオフ!―ロケットガール〈1〉 (富士見ファンタジア文庫)女子高生、リフトオフ!―ロケットガール〈1〉 (富士見ファンタジア文庫)
野尻 抱介

天使は結果オーライ―ロケットガール〈2〉 (富士見ファンタジア文庫) 私と月につきあって (富士見ファンタジア文庫 38-23 ロケットガール 3) ヴェイスの盲点―クレギオン〈1〉 (ハヤカワ文庫JA)

SF。
野尻抱介といえば、オーソドックスで良質なSFを、ライトノベルというフィールドで提供してくれる数少ない作家。もちろん、『太陽の簒奪者』みたいな、ハードSFも凄いけど、やはり、『ふわふわの泉』とか、この『ロケットガール』みたいなライトノベルも好き。
ライトノベル特有の荒唐無稽とも思えるキャラ設定とか、そういうノリもあるけど、ベースには常にしっかりとしたS(サイエンス)の部分があって、リアリティと、ファンタジーが同居している。ライトノベルのSFっていうのは、だいたいがSFっぽい設定を利用しているというレベルで、SFがメインで、ライトノベルテイストで表現したってのは皆無。本作も、ロケットへのこだわりが存分に表現されている。
この手の作品を書く人ってほんとうに野尻さん以外思いつかない。昔のジュブナイルSF(イメージとしては石原藤夫さんの作品『ハイウェイ惑星』とかそういうの、そういえば『ハイウェイ惑星』もデュアル文庫で出てたっけ)みたいな作品は、是非本来のターゲット=ティーンズの人に読んで、科学に興味を持って欲しいと思う。良作。