『CASSHERN』

CASSHERNCASSHERN
伊勢谷友介 麻生久美子 寺尾聡

デビルマン OUR LAST DAY-CASSHERN OFFICIAL ALBUM- CASSHERN ORIGINAL SOUNDTRACK[Complete Edition] キューティーハニー キャシャーン―ザ・ラスト・デイ・オン・アース

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SF?アクション。
 例の宇多田の旦那が監督した『CASSHERN』をついに見た。Amazonなんかでも、面白いぐらいまっぷたつ。☆5か☆1かで、平均すると☆3。だから及第点のできかというと全くそうじゃない。
 まず一応褒めておこうか。映像、これはいい。というか色彩が好き。宇多田のPVと大差ないといえばそうだが、全編を通じてやりきったことは評価できる。この点は比較的評価に割れがない。
 ではどこで評価が別れるのかというと、シナリオ(脚本)。ダメという人のパターンとして、理解できない、分からないというのが多い。いいっていう人は、どこが分からないのか分からないといい、分からないなら二度、三度と見れば分かる。そうすると良さが分かると言う。
 でも、それじゃダメだろう。シーン毎にはどこかで聞いたことのあるような台詞が唐突に、ぽつぽつと配置されていて、ああ、あの辺りから取ってきたなあってのが分かる。つまりは、テーマやメッセージ自体はありきたりのもので、見る方からすれば、慣れている分(慣れについては個人差があるかも。恋愛ものとかしか見ない人にはなじみがなさそうだけど、SFとかライトノベルとかよく読む人には、耳にたこレベル)、理解しやすい。にもかかわらず、分かりづらいと感じさせるとすれば、作品に問題があると考えるべき。物語が登場人物にその台詞を言わせるのではなく、監督が言わせたい台詞を物語に関係なく言わせているだけだから、ストーリーから台詞が浮き、結果話が分かりづらくなる。
 それを評して、撮りたいシーン、言わせた台詞だけを寄せ集めただけの作品、高校生の文化祭レベルといわれるわけで、個人的にも賛成。
 この人は、撮影とか映像効果に専念した方がいい。少なくとも脚本は書かない方がいい。日本映画ってどうも、こういう独り善がりなのが多い気がする(ハリウッドは全く逆にこびすぎ?)。評価されている作品も含めて……。