『風の大陸 第二十五部 大祭司』

風の大陸〈第25部〉大祭司 (富士見ファンタジア文庫)風の大陸〈第25部〉大祭司 (富士見ファンタジア文庫)
竹河 聖

風の大陸〈第26部〉聖都 (富士見ファンタジア文庫) 風の大陸 第二十七部 地流 (富士見ファンタジア文庫) 風の大陸〈第24部〉白光 (富士見ファンタジア文庫) 風の大陸 最終章 祈り (富士見ファンタジア文庫) 風の大陸〈第23部〉有罪か無罪か (富士見ファンタジア文庫)

by G-Tools
ファンタジー
 竹河聖の描く大長編大河ファンタジーの25巻目。前巻までで、太陽帝国編のメインストーリーが終了し、この26巻は、ローダビア編への橋渡しとなる話。といっても、ただのつなぎではなく、おそらくローダビア編のキーとなるヘルルダルのドラスウェルクの内面を中心に、本来の目的である”大陸を救う”ことの具体的な方法への手がかりが提示されたり、ティーエとラクシの関係にもとりあえず答がでたりと、いろいろと重要な内容が盛りこまれていて、次から始まるローダビア編への期待を高める。
 いつもと違って、後書きがいのまたむつみさんのイラストってのも面白い。ライトノベルにとって、イラストの持つ意味は大きくて、物語の雰囲気を左右したりもする重要なもの。この作品ほど、文と絵が見事にマッチした作品は少ないと思う。どちらが変わってもきっと違和感をかんじると思う。そういう意味で、『風の大陸』シリーズは、ファンタジーの傑作であると同じく、ライトノベルの代表作でもあるのだと思う。