『フィールド 響き合う生命・意識・宇宙』

フィールド 響き合う生命・意識・宇宙フィールド 響き合う生命・意識・宇宙
リン マクタガート Lynne McTaggart 野中 浩一

叡知の海・宇宙―物質・生命・意識の統合理論をもとめて 創造する真空(コスモス)―最先端物理学が明かす「第五の場」 投影された宇宙―ホログラフィック・ユニヴァースへの招待 カオス・ポイント―持続可能な世界のための選択 意思のサイエンス

by G-Tools
科学。評論。
 いわゆるニューサイエンスの最前線を取材して、内容を紹介した本。なかなか面白かった。現状の科学で未解決の課題を、”量子真空(ゼロ・ポイント・フィールド)”を鍵に読み解く試み。
 多分、読んだ人の反応は、いわゆる擬似科学だと脊髄反射的に思う人と、頭から信じてしまう人の両極端に別れるだろうなあ。自分は、遠隔視とか、祈りの効能とか、そういうものを”科学”的に解明しようという試みには大賛成で、現行の科学理論に反するからといって、何でもかんでも否定する態度こそ、非科学的だと思っている人間なので、この本で提示される理論は、なるほど、うまく未解決現象の説明ができているとは感じた。ただ、じゃあ、どうやってそのような仕組みが働いているのか、ってところは手つかずで、そこらあたりがまだ諸手を挙げて賛成とはなれない理由。
 だから、新しい科学の理論を知るってのよりは、自明の前提として受け入れていたこと、たとえばどうやって電子は陽子の周りを回っているのか?とか、慣性の法則が働くメカニズムは?
とか、そいう視点がもてたことはが一番の収穫。