『復活の地 2,3』

復活の地 2 (ハヤカワ文庫 JA)復活の地 2 (ハヤカワ文庫 JA)
小川 一水

復活の地〈3〉 (ハヤカワ文庫JA) 復活の地 1 (ハヤカワ文庫 JA) 第六大陸〈2〉 (ハヤカワ文庫JA) 第六大陸〈1〉 (ハヤカワ文庫JA) 老ヴォールの惑星 (次世代型作家のリアル・フィクション ハヤカワ文庫 JA (809))

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復活の地〈3〉 (ハヤカワ文庫JA)復活の地〈3〉 (ハヤカワ文庫JA)
小川 一水

復活の地 2 (ハヤカワ文庫 JA) 復活の地 1 (ハヤカワ文庫 JA) 第六大陸〈2〉 (ハヤカワ文庫JA) 第六大陸〈1〉 (ハヤカワ文庫JA) 老ヴォールの惑星 (次世代型作家のリアル・フィクション ハヤカワ文庫 JA (809))

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SF。
 2巻は、地震からの復興よりも、内外の政治的駆け引きの方がややメインになっている。3巻はまた一転して、地震への対策と、復興が主役になる。そして、1巻と3巻では、災害へのアプローチ自体が変化していて、面白かった。
 ただちょっといい話にしすぎたかな、という印象がある。色々な問題が意外とあっさりと解決しすぎているのも、すべては登場人物たちが善良だからで、その点がリアリティを押し下げてる。で、どうせだったら、リアリティを多少犠牲にしてでも、劇的なシーンを使ってみてもよかったのではと思う。ご都合主義も時には使いようだと思う。
 小川一水作品で読んだのは『第六大陸』とこの2作なんだが、独特の印象がある。なんというか、硬派なシミュレーション小説(SF)を舞台に、ライトノベル的なキャラが配置されて、口当たりがいいけど、深みはイマイチみたいな。個人的には、この口当たりの柔らかさを残しつつ、世界と人物に奥行きが出てくれば、もっと凄い作家になりそうな気がしてる。当分追っかけて読むと思う。