常温核融合の夢、再び……

UCLAで常温核融合成功、ただし発生エネルギーは少量(@Wired News)


核融合といえば、未来のクリーンエネルギーの大本命。ソーラーも燃料電池も、メタンハイドレートも、液化天然ガスも、全ては核融合炉完成までの繋にすぎない。と、思ってる人も多い。それぐらい夢のエネルギー。ITER(国際核融合実験炉)なんてのが計画されていて、日本は誘致に積極的な活動をしていたりもするし、研究の分野でも大阪大学なんかが有名。ITERの話とかはこの辺の本に詳しい。

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狐崎 晶雄 吉川 庄一

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アニメなんかでも、核融合炉をメインの駆動力にしてる設定は多い。ガンダムなんかもそうだった記憶がある。


でも、じつは”常温核融合成功!”ってには苦い経験がある。


”苦い経験”てのは、記事にも書かれているが、まあ言ってしまえば誤報だったということ。
これは、普通われわれ一般人は、「何々を発見」という報道があると、イコール、即事実と思ってしまう。でも、よく読むと、「何々を発見」という論文が発表されたというのが真相、ということがよくある。


これらは決して同じ意味じゃない。学会や、科学誌に発表された論文は、決して事実が確認されたわけではなく、まだ仮説の段階にすぎない。仮説は、多くの科学者によって検証されて初めて認められる。
当然、センセーショナルなのは最初の発表の時で、一般マスコミは仮説の発表のみを報じて、その後の経過が報道されることはまれ。
見出しだけしか読まないと、そういう陥穽にはまりやすいことを心にとめておかないといけない。特に、ネットでしかニュース見ない人(ああ、自分のことだ……)は、見出しだけ見て興味のないところはクリックせずに流してしまえばよいから、そうなりやすい気がする。気をつけよう、自分。
常温核融合報道についてはこの辺り。

常温核融合スキャンダル―迷走科学の顛末
ガリー・A. トーブス Gary A. Taubes 渡辺 正

朝日新聞 1993-12
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