『戦鬼』

戦鬼 ―イクサオニ― (富士見ファンタジア文庫)戦鬼 ―イクサオニ― (富士見ファンタジア文庫)
川口 士

輝石の花 (富士見ファンタジア文庫) 死神とチョコレート・パフェ (富士見ファンタジア文庫) 戒書封殺記 その本、禁忌の扉に通ず (富士見ファンタジア文庫) 黄昏の刻 5 黄金の旅路 (富士見ファンタジア文庫)

「桃太郎」をモチーフにしたライトノベル古事記といった感じの古代ファンタジー
第18回ファンタジア長編小説大賞、大賞受賞作。うーん、イマイチ。期待値高すぎたかも。ファンタジア大賞といえば、大賞を出さない事で有名なラノベの新人賞。過去の受賞は、「戦鬼」を含めて4作。となると、どうしても、過去の受賞作と比較してしまう。で、その3作がどれもあまりにも素晴らしい出来だったから、どうしても期待値が大きくなってしまう。
「はじまりの骨の物語」の圧倒的な筆力、「風の白猿神」の魅力的な設定とストーリー、「12月のベロニカ」の構成力、過去の受賞作には、図抜けた部分があったが、「戦鬼」にはどうにもそれがない。
正直、なんで大賞なのかよく分からない。作品としては普通に良かったとは思うが、”大賞”の看板が重すぎた。佳作とかだったら、こういう感想にはならなかったんじゃ無いかなと。久しく大賞出てなかったので、編集部、ちょっと焦ったのかなあ。多分、上の3作を読んだ人は同じ感想で、読んだことない人は、”大賞”でも納得なんだろうなあ。