『哀しみキメラ』

哀しみキメラ (電撃文庫)哀しみキメラ (電撃文庫)
来楽 零

哀しみキメラ (2) (電撃文庫 (1285)) 哀しみキメラ〈3〉 (電撃文庫) 哀しみキメラ 4 (4) (電撃文庫 ら 4-4) ルカ―楽園の囚われ人たち (電撃文庫)

伝奇?
わりと良かった。偶然”モノ”を取り込んだことで、人ならざる力を手に入れてしまった主人公達4人の話。伝奇系の設定で、異能者故の葛藤を描くという、非常にオーソドックス?なスタイルで、心理描写が多めで、出会いと別れ&成長って感じの展開もラノベらしい作り。なんでよくまとまっている印象。
多かれ少なかれラノベだと、究極の2択っていう場面が出てきて(特にセカイ系?)、そういう時はだいたい天邪鬼な自分としては、第3の道があるだろ! と思うたちなのだが、今回、展開が実際そうなるのも好感度高かったし、登場キャラたちがわりと行動の軸がしっかりしているのも個人的には好き。
ただ、なんとなく、微妙に食い足りない感じ。たぶん、伝奇って世界観のキャラ立ち(衒学的だったり魔術的だったり)も魅力で、その圧倒的な情報量と密度みたいのを楽しむ部分が自分の中にあって、ラノベだとどうしてもその辺りが1冊の分量に入りきらないのかなと。主人公達の能力特性を分けて、バトルシーンを描きこむとかやってる余裕はないのだろう。むやみに分厚いノベルス系の伝奇とかに慣れてなければ気にならないのかもしれないが。続きを読めってことですか…